できるようになることへの囚われ
「成功体験は何ですか？」
なんて聞かれると、そんな成功なんてしたことないって思います。
大それたことに感じてしまって、そんなもの自分にはないって思います。
「できるようになったことは何ですか？」
って聞かれた方が、ちょこちょこあるかなって思います。
聞いた側が何を意図しているかによって答えは変わってきますが、
例えば自己分析だったりすると、普段使わない言葉で書かれていたり、
聞かれることが多くて困ってしまいます。
個人的に、何かができなかったりしたとき、
笑われたり、失望されたり、時には怒られたりして…
ポジティブなことは、まず 起こらないなぁと感じています。
だから「できるように」しようと頑張るのは当然の結果なのだと思うのです。
もうかれこれ何十年も「できるようになること」を求めてきました。
高校でも大学でも就職してからも…。
とても当たり前のこととして。
でもその弊害が、失敗することへの恐怖です。
行動することが怖くなり、チャレンジすることが怖くなり、
まったく動けなくなってしまったことです。
仕事であれば当然、有無を言わずやります。
でもそれが、成功したとしても、次こそ失敗しちゃうかもしれない…
毎日がテストであり、試験であり、大会であり…失敗できない日々が続いて、
行動することがストレスでしかなくなっちゃうんです。
自分がこれまでどんなことをやってきてたとしても、
それは「成功」することを保証してくれません。
常に、いつだって、どんなときだって、
失敗と成功は、50：50なんです。
自分にとって一番難しかったのは、
結果と向き合うことだったんだと思います。
そもそも、失敗＝だめなこと、だと思ってました。
その結果が生むのは、ネガティブなことばかりでしたから。
でも、結果からわかるのは
「失敗した＝できなかった」
だけじゃなかったんです。
こういうことすると、こうなる。
こんなことをすると、こうなる。
という大事な大事な情報を与えてくれてたんです。
行動の結果は、どんな結果だったとしても
決して「失敗」というものじゃなかったんです。
行動する前よりも、
もっともっと深く、
もっともっと多くのことを
知る機会を与えてくれたんです。
よりよくなるために
よりよく知ることができた。
あー、これを「成長」と呼ぶんだなって思えたんです。
「失敗から学ぶ」のだとよく聞きます。
失敗から学んでいるつもりでした…。
何がいけなかったのか、
どうしたらよかったのか、と。
でも目標と結果を比較してただけ、
違いを眺めているだけでした。
あー…あれができてなかった…
これもできてなかった…
こっちもできてないじゃん…
って、できなかったことを眺めてただけでした。
ダメだったところを見つめるだけで、
分かったこと知ったことに目を向けない。
それで目標に近づけるわけがない。
なら「どうしたら目標に近づけるのか」
その方法はどうしたらわかるのか。
「行動」
それが答え。
実験と言い換えてもいい。
検証と言ってもいい。
とにかくやってみること。
何のために？
実験するため。
検証するため。
情報収取するために。
何がどうなっていて、
何をどうしたら、
よりよくなるのかを知るために。
その結果、目標から遠ざかる方法だったとしても、
今後はそっちに行かないという選択ができる。
エジソンの
「私は失敗したことがない。
1万通りのうまくいかない方法を見つけたのだ」
という言葉の意味の通りに。
できるようになることに囚われると成長できなくなる。
成長とは、経験知を増やすことなのかもしれない。
行動は成長のために。
思い至ってみれば、
とても当たり前のことなんですけど、
とても当たり前に思えなかったんです。
これだけでも世界が違って見えるし、
自分の行動が全く変わってきます。
たかだか焙煎ひとつとってみても、
思ったように焼けないことばかり見ていました。
うまく焼けないなぁ…どうしたらできるようになるのかなぁ…。って。
本当は、そのバッチひとつが、たくさんのことを教えてくれていたのに。
検証しているつもりで検証できていなかった。
目標と比較してその差を埋める何かを
探したところで、考えたところで、
何も見つかりはしない。
行動した結果を並べて比較して違いを見つけて、
少しずつ積み上げていくことでしか方法はないんだ。
そうやっていくとびっくりするくらい分かるようになりました。
今まで一体ほんとに何をやっていたのかと、呆れてしまうくらい。
すべての行動は実験で、
その結果を並べて比較して違いを見つけて、
次の行動に生かす。
ただそれを繰り返して
少しずつ成長していく。
とても当たり前のことですけど、やっと自分の肚から思い至りました。
でもとても大事なことなので、備忘録にしておきます。
