「余白の音」に耳を澄ませて。

珈琲とからだ、ときどき言葉

生豆の中心温度を上げるために必要なこと

発火という現象は、供給された熱量が物質全体に伝わらず一か所に留まることで局所的に温度が上昇し、その物質の発火温度を超えることで起こるのだそうです。

供給された熱量が物質の熱伝達率に対して適切だったのかどうかが問題なのだと思います。熱伝達率の低い物質に対しては、それなりの熱量を与えていかなければ、発火はしなくても焦げてしまうのだと思われます。

生豆の場合、その熱伝達率を左右する要素に「水分」があると思われます。含水率の高い生豆と低い生豆を比較した場合、水分を多く含んだスポンジとそうでないスポンジに置き換えることができるように思います。その場合、前者の方が熱伝達率が高く、より早く芯に熱量を伝えることができ、さらに発火(焦げ)の危険性も低くなると思われます。


このように考えた場合、特に生豆の芯の温度が低い投入直後においては、水分蒸発を可能な限り抑えるべきだと言えます(ナチュラルや密度の低い(軟らかい=熱伝達率が低い)ブラジルなどは特に注意が必要だと思います)。そして焙煎初期に関しては、乾燥を促す熱伝達ではなく、乾燥を抑える熱伝導を使って熱量を供給するべきだとも言えると思います。

そして同時に、水抜きの必要性に疑問が生じます。