「余白の音」に耳を澄ませて。

珈琲とからだ、ときどき言葉

直近の焙煎について

2021.12.14にシングル4種類といつものブラジル2バッチ、ブラジルとコロンビアのプリブレンド、合計7バッチ焙煎しました。

排気ファンを止めた状態で焙煎したのがシングル4種とブラジル1バッチ。
以前も書いたと思うのですけど、コーヒー豆の質感がなめらかなのがいいんですけど、今まで一度もディスカバリーで焼けたことなかったんです。手鍋焙煎を経て、排気ファンを外したらいいんちゃん?って思いついてのでやってみました。ちなみに、蒸らしのあとは排気ファンをONにしてます。

口に入れた瞬間の液体のなめらかさは最高でした。調整すべき点はもちろんたくさんありますが、ディスカバリーに可能性が出てきて大喜びです。やっと販売してもいいなって思えるレベルになってきました。

ってことなら、水分量の違い、硬さの違い、大きさの違いも蒸らしで火を通してあげれば、ちゃんと焙煎できるんじゃないかって思いついちゃったので、プリブレンドで焙煎してみました。これも調整は必要ですが、昔の熱風焙煎機では生焼け感がひどかったんですけど、それよりも全然よくなりました。プリブレンドの可能性が出てきましたわ。

するってーと、もしかしたら超短時間焙煎だってできるんちゃん?って思って、230℃投入、ガス圧1kpaで焙煎してみましたが、設定が甘かったようで10分かかってしまいました。そして少しざらついちゃってます。このやり方は要検討ですね。6分くらいを目指したんですけどね、また気が向いたらやってみます。



2021.12.18、昨日ですね。いつものブラジルを6バッチ焙煎してみました。
最初の4バッチは、火が通ったあとにダンパを3くらいに開放して焼いてみました。そのこころは、乾燥の促進です。14日の焙煎ではメイラード感が強いバッチがいくつかありました。いずれも水分が高めの生豆だったので乾燥が甘かったのかと思って、今回はダンパをしっかり開放して「乾燥」させることを意識して焙煎しました。

結果は惨敗でした。アタックのなめらかさは変わらず非常に良かったです。けど、アフターにかけてドライ感が増してきました。よく言えば、酸味が明るくなり明確になってはいました。熱風焙煎でよくあるキレイな酸味が出てきていました。しかし、欲しいのはなめらかさです。対流によるいつものざらつき、ドライ感。フレーバーの立ち上がりに、舌離れやキレ、ドライ感はある程度あった方がいいと思っていますが、これでは舗装道路から砂利道に入ったような不快感です。はて、この乾燥という工程は必要なのだろうか。メイラード反応を抑えることができるとは思うものの、そもそも抑える必要があるのかもわからなくなってしまいました。ただ、やはり対流は焙煎中のどのタイミングであっても、大きく起こすものではないのだろうと思いました。


実は、Yellowingを迎えるまで、火力操作やダンパ操作をすべきでないという考え方をずーーーっとしてきました。海外のサイトでは、投入直後に最大火力、それ以降は火力を下げていく方法をよく見かけます。一方日本では、投入してから徐々に火力を上げていく方法をよく見かけます。ワイルド珈琲のサイトでも白っぽくなるタイミングでは焦げない最大火力でと書かれてありました。しかし、火力を徐々に上げていったり、ダンパを開放したりすることで質感を阻害されてしまう経験を頻繁にしていましたので、海外でよく見かける方法を取っていました。

ですが、もしなめらかな質感を実現するのに「蒸らす」ことが大事なのだとしたら、その間の火力操作は問題ないのではないだろうかと思いついたのです。もちろん対流を起こすことは蒸らしの妨げになるので、これまで同様、ダンパ操作はご法度としてますが、火力操作なら問題ないかもと思いついたので、早速ブラジル2バッチをやってみました。

結果は予想通り、アタックからアフターまでなめらかさが続くカップになりました。蒸らしている間の火力操作は問題なさそうです。より水分の多い生豆に対する対処、ハゼ前後の処理やフリックへの対処は今後の課題になりそうです。

実はひそかに参考にさせていただいているコーヒー豆屋さんがありまして、久しぶりにそれと比べてみたんですけど、段違いですね。豆の状態、粉の状態の香りの違いに改めて驚きました。しっとりなめらかで甘酸っぱい香りなんですよね。自分のコーヒーは「乾!」って感じで、乾きまくってるんです。あの甘酸っぱいしっとりとした香りは、唯一無二。同じような豆に出会ったことがないんです。あれを目指して6年。一歩一歩ですね。