「余白の音」に耳を澄ませて。

珈琲とからだ、ときどき言葉

突然だけど、熱風や半熱風と直火って、全然違う気がする

熱の伝わり方には、熱伝達、熱伝導、熱放射がある。それに絡めて焙煎機には、熱風式、半熱風式、直火式の3種類あると言われる。

熱風式は熱風の熱伝達を利用し、半熱風式は釜の熱伝導を利用し、直火式はバーナーからの熱放射を利用して焙煎が行われていると説明される。

家庭用の焙煎器の中には、ガラス製の手回し焙煎器もあり、そのガラスは赤外線などの電磁波を通すわけだけど。

なら、それを「直火式」と呼んでいいのか?


直感では、火あぶりにされていないから違うんじゃねと思う。やっぱりパンチングされた釜でなきゃ直火とは呼ばないんじゃないか、と。飲んだことないけど、味わいも直火っぽくないんじゃないだろうか。どちらかというと半熱風に近いのでは。


そうなると何をもって「直火式」と呼ぶのか。

「火あぶりにされている」ことがポイントではなかろうか。焼き鳥のように。つまり「燃える」という現象の有無なのかなと。


最近になって、炭を作る過程の「乾留」という現象を調べ直した。燃焼すると灰ができるけど、乾留すると炭ができる。酸素を絶った状態で固体(割りばし)を熱すると気体(木ガス)、液体(木酢液)、固体(炭)に分解されるのだそうだ(Youtubeで実験風景が見れるよ)。んで、木ガスは炎を上げて燃焼する可燃性ガスで、炭は炎を上げずに燃焼する可燃性の物質なのだ。なら、割りばしを燃やしたとき、木ガスの燃焼と炭の燃焼が同時に起きているのかなと思ったりする。


動画で実験器具を見たときに、焙煎機とそっくりだなーと思った。違いは割りばしの入った試験管が回っているかどうかだけ。


そうか。焙煎は乾留なんだ。



でも、直火の場合は火あぶりだから、やっぱりなんかちょっと違うのかなって思う。

試験管の中で起こる反応は乾留。じゃその試験管をどかして、直に火に晒すことで起こる反応って、やっぱり燃焼なんじゃないかって思う。

まぁ実際に燃焼はしてないんだけど…、でもそう考えると、燃焼と乾留の初期段階って違うことが起こってるんじゃないかなって思ったりする。それが、熱風や半熱風と直火の違いになるんじゃないかって思う。


熱風や半熱風のコーヒーと直火のコーヒーが同じ数直線に並んでいないように感じるのは、桁違いに違うと感じるのは、そういうことなのかしらと思う。