「余白の音」に耳を澄ませて。

珈琲とからだ、ときどき言葉

ダンパに対する理解

実験なんかをした後には、昔の記憶なんかがいろいろよみがえってきて、あーでもないこーでもないっていろんな考え方が湧いてくることが多いのだけども、やっぱりダンパについてまとめておいた方がいいのかなと思いました。

暖機をし始めたときって、ダンパを全閉にしていても温度計の数値は上昇していきます。この時期だと気温が低いので、焙煎機自体の温度も14℃くらいなので、暖機に時間がかかりますね。

ですが、ある温度で上昇が止まるんです。バーナーは相変わらず煌々と燃えているわけですが、なんでか温度が上がらないんですよね。上がらないってことは、熱が逃げているのか…。でもダンパは全閉でっせ?

一向に上がらないのでダンパを少し開けてみると温度が上がるのです…。逃げているわけではなかったのか。では何だったのか。でもしばらくすると、ある温度で上昇が止まるのです。

っと、まぁ、この繰り返しで200℃以上に暖機するようにしてはいますが、これまで対流で熱量を供給していれば、無限に温度が上昇していくもんだと思っていました。なので、どうして途中で止まってしまうのか、どうしてダンパを開けると再び上昇するのかが不思議でしょうがなかったです。

※ダンパを開けると温度が下がっていく場合は、強制排気が強すぎて、冷たい空気が入ってしまうからだとイメージしやすいですが…。


考えてみたんですけど、たぶん焙煎機は、暖機されている傍から、環境に熱量を奪われてもいるのだと思います。エネルギー状態の平衡?を保つためでしょうか。エントロピーってやつでしょうか…。

なので、焙煎機への供給量と焙煎機からの放熱量が平衡になったとき、温度上昇が止まると思われます。INとOUTがイコールの関係になる感じですね。

そして、環境温度が低ければ低いほどたくさん奪われてしまうし、焙煎機の温度が高ければ高いほどたくさん奪われてしまうのだと思います。ダンパを開ければ対流速度が上がり供給量が増えて、再び温度は上昇しますが、いっときすればまた上昇しなくなってしまうのも、こういう理由なのだと思われます。

ダンパを開ける(閉じる)と対流速度が上がり(下がり)、供給される熱量が増加(減少)する。
開けすぎると冷たい空気まで引き込んでしまい、供給される熱量が減少する。

まとめてみれば、一般的に言われていることをそのままですね。
腑に落ちたということで良しとしましょう。


熱量の供給という観点で考えると、ダンパの開放度に応じて熱量が供給されていると言えるのでしょう。一方で、焙煎という観点で考えると、対流による効果は熱伝達以外にも水分の蒸発があると思います。個人的には、こちらの方が注意すべき問題のように感じます。